From: 中原良太
自宅のリビングより、、、
きょうは個人的に
「あれは失敗だったな〜💦」
と感じる取引を振り返ります。
第一弾として取り上げるのは、
神戸製鋼所(5406)の取引です。
増配直後の急騰で高値掴み
僕が神戸製鋼所を買ったのは、
2023年8月の増配発表後でした。
このときの神戸製鋼所の、
チャートは以下のとおりです:
このとき、神戸製鋼所は、
未定だった配当を発表し、
しかも想定外の増配でした。
発表当時、配当利回りは、
5%を超えていました。
鉄鋼株の中でも高利回りで、
嬉しいサプライズだったので、
株価も急騰していました。
足元の業績も悪くなかったし、
鉄鋼市況と連動する銅市況も活況で、
しばらく上がりそうに見えたんです。
以上のような勝算をもって、
僕も急騰中でしたが飛びつきました。
急騰直後、株価は急反落…
しかし、この取引は失敗でした。
幸い僕はあまり損しませんでしたが、
ヘタをすればもっとやられてました。
第一にまずかったのは、
「急騰直後に買ったこと」
です。
5〜10%程度の値上がりなら、
高値を追っても良いのですが、
同社の場合はすでに前月から、
30%近くも値上がりしてました。
だいたいの株は、
1カ月で15%も上がると、
いちどは調整が入ります。
たまに調整することなく、
グイグイ上がる株もありますが、
よほどの決算が出ない限り、
「30%上がった後」から買うのは、
高値づかみの可能性が高いです。
安い株を買っていれば、
いずれは上がるのですが、
それにしても、
短期的には反落することが多いので、
何日か様子見すべきだったと思います。
資金調達を発表し、希薄化懸念で急落
もう1つマズかったのは、
「資本政策に納得できない」ことに、
購入後に気づいたことでした。
「もっと調べてから買えよ!」と、
ツッコまれても仕方ない取引でした。
神戸製鋼所はPBRが1倍を割れています。
PBRが1倍を大幅に割る会社の多くは、
「自社株買い」をするのが効率的です。
IRRの高い内部留保先があるなら、
話は別になるでしょうけれど、
そもそもPBRが低い株は、
自己資本がダブついていたり、
内部留保先のIRRが低いので、
内部留保して設備投資に回すより、
自社株買いやM&Aのほうが、
資本効率が高いことが多いです。
【参考:IRRとは何か?】
フリー百科事典Wikipedia, “内部収益率”
内部収益率(ないぶしゅうえきりつ、internal rate of return、IRR)とは、投資によって得られると見込まれる利回りのこと。IRR は、投資プロジェクトの正味現在価値 (NPV) がゼロとなる割引率である。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%86%85%E9%83%A8%E5%8F%8E%E7%9B%8A%E7%8E%87
神戸製鋼所の場合は、
PERもPBRも低かったので、
自社株買いの魅力に勝るような、
M&A先はあまりない気がします。
それもあり、
「自分なら迷わず自社株買いする」
と感じました。
僕の考え方とは違って、神戸製鋼所は、
増配のみで自社株買いはしませんでした。
この状況を見て僕は、
「ここの経営陣とはソリが合わないな」
と感じました。
これは僕の経験則ですが、
PBRが1倍を割れてるのに
自社株買いをしない会社は、
株主に不利な資金調達をして、
株価を下げるケースも多いです。
JFEとかも資金調達を発表して、
株価が低迷していたんですが、
神戸製鋼所もその例に漏れず、
11月にCB発行による資金調達を発表し、
それ以来、株価が低迷してしまいました。
幸い、僕は早めに気づけたので、
時間やお金のロスを最小限に、
食い止められましたが、
あのまま気づかなければ、
3カ月、鳴かず飛ばずの銘柄に、
資金を拘束され続けてました。
危なかった…。
こういう「ミス」は、
早く気付けば傷口は浅いですが、
見過ごすと傷口が広がっていきます。
「株を買う前に調査を徹底すること」と、
「買った後も追加調査を怠らないこと」の、
2点が大事なんだよなーと、
ヒシヒシと感じる一件でした。
飛びつき買いは僕の悪癖です。
なまじ、それで儲かった経験があるので、
なかなか悪い癖が抜けないんですよね…。
すこしずつ矯正できていますが、
たまに再発しちゃうので、
気をつけなきゃな…。
– 中原良太
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