防衛産業の将来性を軽視して、三菱重工業を買い逃した話

2022年の失敗談
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個人投資家。元Yahoo!株価予想達人。
同サイトで25歳で「ベストパフォーマー賞」「通算最高勝率者賞」受賞。2006年ルービックキューブ日本大会準優勝。MENSA会員。座右の銘はヘンリー・フォードの「本当の失敗とは、失敗から何も学ばないことである」

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From: 中原良太
自宅のリビングより、、、

きょうもまた、
儲けそこねた話を1つ。

2022年から絶好調な、
三菱重工業(7011)を、
買い逃した失敗を供養します。

日本最大の防衛銘柄

三菱重工業といえば、
防衛省への納入実績が、
もっとも多い防衛銘柄
です。

Wikipediaによる説明は以下のとおりです:

三菱重工業株式会社(みつびしじゅうこうぎょう、英: Mitsubishi Heavy Industries, Ltd.、略称:MHI)は、東京都千代田区丸の内および神奈川県横浜市西区みなとみらいに本社を置く、三菱グループの重工業メーカーである。

(中略)

明治時代以降、三菱グループ自体が政商として発展を遂げてきた歴史的経緯で、三菱重工業は伝統的に「三菱は国家なり」という意識を持っており、世界へ目を向けた一途な心情からの経営方針としている。三菱重工業の社長、会長を歴任した飯田庸太郎は「防衛産業で日本のお役に立てなければ、三菱が存在する意味はない。もって生まれた宿命と思っています。」と語っている。兵器製造の分野では防衛省への納入実績が第一位の企業であり、世界では21位、日本ではトップの製造開発企業とされ、戦闘機・ヘリコプター・イージス艦を含む護衛艦・潜水艦・戦車・ミサイルなどの製造をしている。事実上、日本の国防を担っている存在である。

フリー百科事典Wikipedia, “三菱重工業“
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%89%E8%8F%B1%E9%87%8D%E5%B7%A5%E6%A5%AD

2021年まで、
三菱重工業の株価は停滞していて、
PBRが1倍を割れるほどでした。

しかし2022年に、

ロシアがウクライナを侵攻し、
国防への意識が高まったことで、
2年で3倍近くに上昇しました。

三菱重工業のチャートは以下のとおりです:

三菱重工業の月足チャート(引用元:IR BANK)

2021年まで3000円だった三菱重工業は、
2023年半ばには9000円まで上がりました。

2年そこらで株価は3倍になってて、
「買っておけば良かった!」と、
心底、後悔している銘柄です。

いつ買うのがベストだったか?

ロシアがウクライナを侵攻しなければ、
今ほど人気じゃなかったかもしれません。

それに、防衛費もここまで増えずに、
業績も振るわなかったかもしれません。

そう考えると、三菱重工業への投資は、
「たられば」に過ぎないのでは?
という疑問も湧いてきます。

しかし、三菱重工業の場合は、
「見逃したのは明らか失敗だった」
と言える根拠が1つあります。

それが、同社が2021年9月に導入した
「DOE 4%」という株主還元目標です。

日経新聞からの引用がこちらです:

三菱重工業は2024年3月期に株主資本配当率(DOE)を4%程度と、今期予想の約2%から引き上げる。DOEは自己資本に対する株主還元の大きさを示す。利益に左右される配当性向と違い、業績が悪化しても減配できないことが多い。投資家に安定配当を訴えて長期保有を促す狙いで、経営目標の一つとして採用することも検討する。

日本経済新聞, “三菱重、DOE4%に上げ 24年3月期 安定配当で長期保有促す”
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO75503950W1A900C2DTA000/

「PBR1倍割れ」の騒ぎは、
2023年から本格化しましたが、

大企業の間では、何年も前から、
問題視され続けていました。

ことの発端はたしか、
2012年の伊藤レポートじゃないかな。

それから10年近く経ち、さいきんでは、

PBR1倍のボーダーとなる目安は、
「ROE8%」と「DOE4%」だと、
経験的に分かってきてた
んです。

だから、PBR1倍超えを目指す会社は、
「DOE4%」を株主還元目標に掲げて

その多くがPBR1倍超え
もしくは株価上昇を達成しています。

三菱重工業もその一角で、
2021年9月に「DOE4%」の目標を発表。

それからは防衛株ブームと、
防衛特需による業績アップで、
みるみる株価が上がっていきました。

仮に防衛株ブームがなくて、
防衛特需がなかったとしても、

2021年9月の株価(3000円)では、
PBRが0.65倍くらいだったので、
「配当利回り6%」が期待できました。

文句なく「買い」の安さだし、
たぶんPBR1倍くらいになる、
4500円には上がったでしょう。

それだけでも株価1.5倍で、
ボロ儲けするチャンスでした。

チャンスを見逃した原因

チャンスを見逃した原因は、
「利上げ不況にビビりすぎて、
株を買おうと思ってなかった」

という視野狭窄でした。

株価指数が下がったとしても、
上がる個別株はたくさんあるので、

「指数が下がりそうだから買わない」
と考えたのは、あまりに短絡的でした。

いやあ、本当に勿体なかった。

いまも当時の三菱重工業みたいに、
「DOE4%」を目標に掲げていて、
かつPBR1倍割れの会社があります。

その好例が双日と住友商事ですね。
この2つも上がるんじゃないかなぁ。

いまも市場にはチャンスはあるので、
次からは取り逃さないようにしなきゃ…。

– 中原良太

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