From: 中原良太
自宅の書斎より、、、
昨日に引き続き、
きょうも
企業が内部崩壊する9つの原因
について、
ポーター先生の名作である
「競争優位の戦略」から
学んでいきます。
ポーター先生によると、
企業内部の活動は
9つに分類できるそうです:
![](https://kabu-shippai.com/wp-content/uploads/2024/02/competitive-advantage_figure-1024x758.jpg)
【主活動】
・購買物流
・製造
・出荷物流
・販売・マーケティング
・サービス【支援活動】
マイケル・ポーター著「競争優位の戦略」(49ページの図より抜粋)
・調達活動
・技術開発
・人事・労務管理
・全般管理(インフラストラクチュア)
1〜7つ目については、
以下の記事をお読みください:
今日はこの続きで、
「人事・労務管理」について
特集します。
企業が内部崩壊する原因⑧〜人事・労務管理〜
ポーター先生は、
「競争優位の戦略」で、
人事・労務管理について、
次のように書いています:
人事・労務管理。これは、あらゆるタイプの社員を募集し、採用し、調達し、教育し、給与を払うことに関する活動である。(略)
人事・労務管理も、会社の競争優位に関係がある。というのは、この管理のよしあしによって、社員の熟練とやる気が左右され、採用や訓練のコストも変わるからである。
マイケル・ポーター著「競争優位の戦略」(55ページより引用、強調箇所は中原によるもの)
「どんな会社もヒトが大事」
ということですね。
中原個人としては
「企業分析をするときに
人事制度は超大事だけど
分析がめっちゃ難しい」
と感じます。
なぜなら、
本当に悪いことをしてる人は
なかなか正体を現さないからです。
決算資料を読んだだけで、
尻尾を掴めればラクですが
そうはいかないんですよね…。
とはいえ、
人事・労務管理の中には
「明らかにヤバいシグナル」
があります。
明らかにヤバい会社は
避けるのも簡単です。
だから、
まずはこういう「地雷」から
避けるのが良いと思います。
崩壊例①:腐った経営陣
もっとも分かりやすい例が、
「腐った経営陣がいる会社」
でしょう。
たとえば
「経営陣が会社を私物化し
僕ら株主達を搾取している」
会社です。
すこし前の例だと
「大王製紙事件」
とかが有名です。
大王製紙事件というのは、
会長が会社の資金を引き出して
カジノで使いまくった事件です。
詳しくはWikipediaの通り:
大王製紙事件(だいおうせいしじけん)とは、2011年に発覚した背任事件。日本の大手製紙会社「大王製紙」の創業家出身であり、当時の代表取締役会長であった井川意高が、2010年4月から翌年9月にかけて大王製紙のグループ会社から106億円にのぼる資金を不正に引き出し、井川個人がカジノで遊興する際の掛け金に流用した事件である。事件発覚により井川は会長を辞任し、後日大王製紙から刑事告発を受け、特別背任罪で逮捕された。
フリー百科事典Wikipedia, “大王製紙事件”(強調箇所は中原によるもの)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E7%8E%8B%E8%A3%BD%E7%B4%99%E4%BA%8B%E4%BB%B6
だいたいの優れた会社には
「自浄機能」が備わってます。
自浄機能というのは
「外部からの力ではなく、
自らで自分を浄化する能力」
のことです。
つまり、
「他人に言われてから
悪いクセを治すのでなく
自分で自分を律することで
悪いクセを治すことができる」
ということです。
良い会社には自浄機能がありますが、
悪い会社には自浄機能がありません。
なぜかというと、
「悪さをしたい人にとって
自浄機能は都合が悪いから」
です。
独裁国家で政治が腐敗したり
ワンマン社長の会社で
イエスマンが増えたり
悪さをしたい人がいる会社では
「人事・労働管理」の面で
おかしいことが起きます。
大王製紙ほど悪質じゃないですが
創業者が
敏腕経営者の穐田さんを追放し
株価を暴落させてしまった、
クックパッドも良い例です。
![](https://kabu-shippai.com/wp-content/uploads/2024/01/cookpad_chart.png)
組織運営の原則のひとつに
「権限・責任一致の原則」
というのがあります。
これは、
「仕事に対する責任と
権限を等しくあるべき」
という原則です。
責任を取れない狭量なひとが、
大きな権限を取ってはいかん。
大きな権限をもたせるなら
責任を取れる器を持つ人に
任せるべきである。
というものですね。
政治家とかで腐敗が多いのは、
「国民の税金を有意義に使う」
という大きな責任に対して、
器の足る人材がなかなかおらず
権限ばかりが膨らんでしまうから
なのだと思います。
企業もそれと一緒なんで、
「あ、この人、器じゃないな」
と感じる人がトップの会社は
遅かれ早かれ、失速するかと。
崩壊例②:劣悪な労使関係
ほかにも分かりやすい例が
「労使関係が劣悪」な場合です。
いわゆるブラック企業です。
上場している会社の中には、
「好業績だけどブラック」
という会社もあります。
「従業員を搾取する」ことで
好業績を維持しているのです。
労使環境が劣悪な会社は
さまざまなパターンで
転落していきます。
たとえば、
・労働組合によるストライキ
・不満を抱えた社員達の裏切り
・ノルマ達成のための品質不正
といった形で現れます。
さいきんの例としては
アメリカの3大自動車メーカーは
大規模なストライキで苦戦しました。
本当に素晴らしい会社は
「厳しくてもやりがいがある」
モンでしょう。
「厳しいだけでやりがいもない
ただ従業員を搾取してるだけ」
の会社は先も知れているんで、
投資は避けるべきだろうなぁ…。
– 中原良太
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