企業が内部崩壊する原因⑧〜人事・労務管理〜

企業内部による失敗
この記事を書いた人

個人投資家。元Yahoo!株価予想達人。
同サイトで25歳で「ベストパフォーマー賞」「通算最高勝率者賞」受賞。2006年ルービックキューブ日本大会準優勝。MENSA会員。座右の銘はヘンリー・フォードの「本当の失敗とは、失敗から何も学ばないことである」

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自宅の書斎より、、、

昨日に引き続き、

きょうも
企業が内部崩壊する9つの原因
について、

ポーター先生の名作である
「競争優位の戦略」から
学んでいきます。

ポーター先生によると、

企業内部の活動は
9つに分類できるそうです:

マイケル・ポーター著「競争優位の戦略」(49ページより引用)

【主活動】
・購買物流
・製造
・出荷物流
・販売・マーケティング
・サービス

【支援活動】
・調達活動
・技術開発
・人事・労務管理
・全般管理(インフラストラクチュア)

マイケル・ポーター著「競争優位の戦略」(49ページの図より抜粋)

1〜7つ目については、
以下の記事をお読みください:

今日はこの続きで、
「人事・労務管理」について
特集します。

企業が内部崩壊する原因⑧〜人事・労務管理〜

ポーター先生は、
「競争優位の戦略」で、

人事・労務管理について、
次のように書いています:

人事・労務管理。これは、あらゆるタイプの社員を募集し、採用し、調達し、教育し、給与を払うことに関する活動である。(略)

人事・労務管理も、会社の競争優位に関係がある。というのは、この管理のよしあしによって、社員の熟練とやる気が左右され、採用や訓練のコストも変わるからである。

マイケル・ポーター著「競争優位の戦略」(55ページより引用、強調箇所は中原によるもの)

「どんな会社もヒトが大事」
ということですね。

中原個人としては

「企業分析をするときに
人事制度は超大事だけど
分析がめっちゃ難しい」

と感じます。

なぜなら、

本当に悪いことをしてる人は
なかなか正体を
現さないからです。

決算資料を読んだだけで、
尻尾を掴めればラクですが
そうはいかないんですよね…。

とはいえ、

人事・労務管理の中には
「明らかにヤバいシグナル」
があります。

明らかにヤバい会社は
避けるのも簡単です。

だから、

まずはこういう「地雷」から
避けるのが良いと思います。

崩壊例①:腐った経営陣

もっとも分かりやすい例が、
「腐った経営陣がいる会社」
でしょう。

たとえば
「経営陣が会社を私物化し
僕ら株主達を搾取している」

会社です。

すこし前の例だと
「大王製紙事件」
とかが有名です。

大王製紙事件というのは、
会長が会社の資金を引き出して
カジノで使いまくった事件
です。

詳しくはWikipediaの通り:

大王製紙事件(だいおうせいしじけん)とは、2011年に発覚した背任事件。日本の大手製紙会社「大王製紙」の創業家出身であり、当時の代表取締役会長であった井川意高が、2010年4月から翌年9月にかけて大王製紙のグループ会社から106億円にのぼる資金を不正に引き出し、井川個人がカジノで遊興する際の掛け金に流用した事件である。事件発覚により井川は会長を辞任し、後日大王製紙から刑事告発を受け、特別背任罪で逮捕された。

フリー百科事典Wikipedia, “大王製紙事件”(強調箇所は中原によるもの)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E7%8E%8B%E8%A3%BD%E7%B4%99%E4%BA%8B%E4%BB%B6

だいたいの優れた会社には
「自浄機能」が備わってます。

自浄機能というのは
「外部からの力ではなく、
自らで自分を浄化する能力」

のことです。

つまり、

「他人に言われてから
悪いクセを治すのでなく

自分で自分を律することで
悪いクセを治すことができる」

ということです。

良い会社には自浄機能がありますが、
悪い会社には自浄機能がありません。

なぜかというと、
「悪さをしたい人にとって
自浄機能は都合が悪いから」

です。

独裁国家で政治が腐敗したり

ワンマン社長の会社で
イエスマンが増えたり

悪さをしたい人がいる会社では
「人事・労働管理」の面で
おかしいことが起きます。

大王製紙ほど悪質じゃないですが

創業者が

敏腕経営者の穐田さんを追放し
株価を暴落させてしまった、
クックパッドも良い例です。

クックパッドの月足チャート(引用元:TradingView、コメントは中原が追加したもの)

組織運営の原則のひとつに
「権限・責任一致の原則」
というのがあります。

これは、
「仕事に対する責任と
権限を等しくあるべき」

という原則です。

責任を取れない狭量なひとが、
大きな権限を取ってはいかん。

大きな権限をもたせるなら
責任を取れる器を持つ人に
任せるべきである。

というものですね。

政治家とかで腐敗が多いのは、
「国民の税金を有意義に使う」
という大きな責任に対して、

器の足る人材がなかなかおらず
権限ばかりが膨らんでしまうから
なのだと思います。

企業もそれと一緒なんで、

「あ、この人、器じゃないな」
と感じる人がトップの会社は
遅かれ早かれ、失速するかと。

崩壊例②:劣悪な労使関係

ほかにも分かりやすい例が
「労使関係が劣悪」な場合です。

いわゆるブラック企業です。

上場している会社の中には、
「好業績だけどブラック」
という会社もあります。

「従業員を搾取する」ことで
好業績を維持しているのです。

労使環境が劣悪な会社は
さまざまなパターンで
転落していきます。

たとえば、

・労働組合によるストライキ
・不満を抱えた社員達の裏切り
・ノルマ達成のための品質不正

といった形で現れます。

さいきんの例としては

アメリカの3大自動車メーカーは
大規模なストライキで苦戦しました。

本当に素晴らしい会社は
「厳しくてもやりがいがある」
モンでしょう。

「厳しいだけでやりがいもない
ただ従業員を搾取してるだけ」

の会社は先も知れているんで、

投資は避けるべきだろうなぁ…。

– 中原良太

↓続きを書きました↓

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