From: 中原良太
自宅の書斎より、、、
昨日に引き続き、
きょうも
企業が内部崩壊する9つの原因
について、
ポーター先生の名作である
「競争優位の戦略」から
学んでいくことにします。
ポーター先生によると、
企業内部の活動は
9つに分類できるそうです:
【主活動】
・購買物流
・製造
・出荷物流
・販売・マーケティング
・サービス【支援活動】
マイケル・ポーター著「競争優位の戦略」(49ページの図より抜粋)
・調達活動
・技術開発
・人事・労務管理
・全般管理(インフラストラクチュア)
1つ目の「購買物流」については、
きのうの記事をお読みください:
今日はこの続きで、
「製造」について特集します。
企業が内部崩壊する原因②〜製造〜
ポーター先生は、
「競争優位の戦略」で、
製造について、
次のように書いています:
製造。原材料を最終製品の形に変換させる活動であって、機械の操作、包装、アセンブリー、機器のメインテナンス、テスト、印刷、設備の整備など。
マイケル・ポーター著「競争優位の戦略」(52ページより引用、強調箇所は中原によるもの)
企業が成功する方法は、
「コストを削減するか」
「差別化して高く売るか」
の2つがあります。
コストを削減する場合は、
「いかに低コストで製造するか?」
が重要指標です。
だから、
◯人件費や物流費が安い所で製造する
◯不良品が出ない製造工程をつくる
◯規模の経済が働くロットで生産する
などを目指します。
一方、差別化する場合は、
「他社には真似できないものを作る」
のがゴールです。
だから、
◯特別な製造工程や設備を導入する
◯高度な技術者を採用する
などがカギとなるでしょう。
崩壊例①:品質不正
製造段階でよく起きる失敗といえば、
組織ぐるみの「品質不正」でしょう。
品質不正の好例といえば、
製造不正をした日医工でしょう。
日医工は売上拡大を目指すあまり、
医薬品の製造で不正しました。
不正が発覚した日医工は、
最後は上場廃止に至りました。
不正が発覚してからの日医工は
ガラガラと転落をたどりました。
その顛末はWikipediaが詳しいです:
2020年、後発品の製造において不備が指摘され業務停止命令を受けたことにより経営が急激に悪化。2022年5月に事業再生ADR(裁判外紛争解決手続き)の手続きに入ったが、その後、アメリカのセージェントグループ(2016年に買収して子会社化)の固定資産の評価において、多額の減損損失が発生することが明らかになった。 同年11月14日、日医工は9月中間連結決算で約356億円の債務超過に陥ったことを発表。
フリー百科事典Wikipedia, “日医工”(強調箇所は中原によるもの)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E5%8C%BB%E5%B7%A5
組織ぐるみの不正が発覚した場合、
株を買うのは超危険だと思います。
崩壊例②:異物混入
不正ではなくても、
「品質が低いため返品が出る」
ことも製造特有のリスクです。
さいきんの例を挙げると、
IHI(7013)の出資先で、
航空エンジンの製造過程で
異物が混入していたそう。
本件のニュースが発表されてから、
IHIの株価は3割も下がりました。
IHI本丸には落ち度がないそうですが、
それでも大金を出資しているため、
尻拭いの負担が必要なのだそう。
◆ ◆ ◆
「製造」工程で崩壊するのは、
車や飛行機を組み立てている
製造業に多いです。
製造業の風当たりが強いのは
「製造物責任法(PL法)」という
法律があるからだと思います。
中原個人的には
「作り手に厳し過ぎるんじゃ…?」
とも感じたこともありますが…。
規制が厳しくなると、
「PL保険」などに加入して、
保険分は価格を引き上げて、
帳尻をあわせるのかなー。
製造業に投資をするときには、
リスクをどう管理しているのか
精査したほうが良いかもですね。
– 中原良太
↓続きを書きました↓
コメント