業績悪化の環境要因④〜買い手の交渉力〜

外部環境による失敗
この記事を書いた人

個人投資家。元Yahoo!株価予想達人。
同サイトで25歳で「ベストパフォーマー賞」「通算最高勝率者賞」受賞。2006年ルービックキューブ日本大会準優勝。MENSA会員。座右の銘はヘンリー・フォードの「本当の失敗とは、失敗から何も学ばないことである」

中原良太をフォローする

From: 中原良太
自宅のリビングより、、、

マイケル・ポーター先生の、
「競争の戦略」によると、

企業の業績が悪化する、
主な要因は以下の5つです:

マイケル・ポーター著「競争の戦略」(18ページより引用)

・新規参入の脅威
・既存競争業者の間の敵対関係の強さ
・代替製品からの圧力
・買い手の交渉力
・売り手の交渉力

マイケル・ポーター著「競争の戦略」目次より抜粋

1〜3つ目については、
以下の記事をお読みください:

今日は5つの環境要因のうち、
「買い手の交渉力」について
取り上げます。

業績悪化の環境要因④:買い手の交渉力

ポーター先生は、
「競争の戦略」で、

買い手の交渉力について、
次のように書いています:

買い手は、値下げを迫ったり、もっと高い品質やサービスを要求したり、売り手同士を競い合わせたりして、業界を相手に戦う――これらは業界の収益性を損なう行動である。業界にとって無視できない、たいせつな買い手グループがそれぞれどれくらいの力をもつかは、市場状況のいろいろな特性によって決まると同時に、業界全体の売上げに占める買い手グループの購入量の比率いかんによるのである。

マイケル・ポーター著「競争の戦略」(43ページより抜粋、強調箇所は筆者によるもの)

「下請け業者は儲からない
のは周知のことですが、

どうしてキツイかというと、
「買い手の交渉力が鬼強い」
からなんですよね。

売上の大部分が、
一部のお客に握られる
ので、

その大事なお客に、

「おたくからは買わん」と、
ノーを突きつけられたら、
もうお終いなんですよ。

お客もその立場を知ってるんで、
足元を見て、安値を引き出します。

2021年に大暴落したAI inside

買い手の交渉力が強くて、
業績が転落したケースに、

AI insideが挙げられます。

AI insideの売上の大部分は、
NTTに握られていました。

だから、

NTTから契約を切られたら、
業績は真っ逆さまでした。

実際、

同社はNTTに契約を切られ、
業績が転落してしまい、
株価も大暴落しました。

契約を切られたときの、
プレスリリースと、

AI insideの株価チャートは、
以下のとおりです:

AI insideの開示資料(2021年04月28日公開、赤線は筆者による加筆)
AI insideの月足チャート(引用元:IR BANK)

「売れ残り」の恐ろしさ

TSUTAYAとかに行くと、
レジの前でワゴンセールがあって、
100円で買えるDVDがあります。

あれ、ぜんぶ売れ残りですよね。

あのワゴンで見かけたDVDを、
わざわざ2000円の新品で、
買おうとは思いません。

だって、100円で買えますし、
なんなら100円でも売れてないし。

どうして「売れ残り」が
恐ろしいのか?というと、

「売れ残り」という、
レッテルを貼られるだけで、
立場が弱くなるから
です。

property technologiesが、
中古マンションの販売で、
苦戦してた
のと同じで、

「残りものに、福などない」

んですよね。

残りものというだけで、
買い手の交渉力が強まり、

「私が買わなかったら、
他に誰が買うんです?」

と足元を見られるんです。

残りものを売るためには、
へーこらしなきゃいけない。

処世のためには、
多少の「へーこら」は、
必要だと思いますし、

「へーこらするだけで、
金を稼げるんだったら、
それだけでありがたい」

という面もありますが、

それ以前の話として、

へーこらしないでも、
売れる環境に身を置くほうが、

よっぽどラクだし儲かります。

投資をするにしても、
仕事をするにしても、

「買い手に足元を見られる」
立場は苦境に立たされるので、
避けたいものですなぁ…。

– 中原良太

↓続きを書きました↓

コメント

タイトルとURLをコピーしました