新株発行で半値になったKudanの顛末

2023年に暴落した株
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個人投資家。元Yahoo!株価予想達人。
同サイトで25歳で「ベストパフォーマー賞」「通算最高勝率者賞」受賞。2006年ルービックキューブ日本大会準優勝。MENSA会員。座右の銘はヘンリー・フォードの「本当の失敗とは、失敗から何も学ばないことである」

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From: 中原良太
自宅のリビングより、、、

きのうに引き続き、
2023年の暴落株について、
顛末を調べてみました。

きょうは、
新株発行で株価が半値になった
Kudan(4425)を特集します。

人工知覚の研究を行う会社

Kudanは、イギリスを拠点に、
人工知覚の研究を行う会社です。

人工知覚というのは、
「機械の眼」のことで、
自動運転などに使われる技術です。

いわゆる先端テクノロジーを扱う、
先進的な新興企業なのですが、

Kudanは上場して以来、
何年も赤字が続いています。

黒字化が遅れに遅れているため、
株価もIPO以降、下がり続けました。

Kudanのチャートは以下の通りです:

Kudanの月足チャート(引用元:IR BANK)

特に2023年は下落がひどく、
年間下落率は56.8%でした。

増資で株主価値が希薄化

2023年に株価が下がった原因は、
「赤字が何年も続いている」
こともそうですが、

それと同時に、
「増資による株主価値の希薄化」
も大きかったように感じます。

Kudanは何年も赤字が続くので、
これからの研究費用を賄うために、
追加で資金調達が必要でした。

それもあり、

これまでも同社はなんども、
増資で研究資金を賄っています。

同社の増資の経歴を調べてみると:

2023年12月:新株予約権16000個発行
2023年04月:新株予約権の大量行使
2023年03月:新株予約権の行使条件取消
2022年08月:新株予約権の大量行使
2022年07月:新株予約権の発行

Kudan、IRサイトより筆者調べ

のように、たびたび増資しています。

一般論として増資をすると、
株主の持ち分が薄れますので、
株価が下がる傾向があります。

Kudanのように赤字の会社や、
有利子負債が多い会社など
は、

「増資で運営費用を賄う」
会社もよく見かけますから、

資金繰りに困ってそうな会社は、
手を出さないほうが無難かなぁ。

研究開発型ベンチャーの危険性

日本にはKudanのような、
「研究開発型ベンチャー」
がたくさんありますが、

きちんと収益化を達成して、
大企業へと成長した例は、
ほとんど知りません。

「研究開発」という、
大義名分を笠に着て、

「赤字を垂れ流しまくり、
株券を印刷するだけの会社」

も、けっこうあります。

こういう会社は、SNSでは、
「株券を印刷する印刷業」
と皮肉られることもあり、

利益につながる投資先としては、
不適格である可能性が高いです。

成長投資で大金持ちになった、
僕の先輩投資家でさえも、

「創薬ベンチャーは分からん!」
と匙を投げるくらいなんで、

不勉強な僕が手を出したら、
ほぼ間違いなく負けます。

とてもじゃないけれど、
僕には買えないなぁ…。

– 中原良太

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