融資不正で大暴落したスルガ銀行の顛末

2018年に暴落した株
この記事を書いた人

個人投資家。元Yahoo!株価予想達人。
同サイトで25歳で「ベストパフォーマー賞」「通算最高勝率者賞」受賞。2006年ルービックキューブ日本大会準優勝。MENSA会員。座右の銘はヘンリー・フォードの「本当の失敗とは、失敗から何も学ばないことである」

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From: 中原良太
自宅の書斎より、、、

きのうはTATERUに触れましたが、
きょうはスルガ銀行を特集します。

TATERUと同じように、
スルガ銀行(8358)

不適切融資がきっかけで、
株価が大暴落しました。

かぼちゃの馬車問題

不適切融資が発覚したきっかけは、
「かぼちゃの馬車」という名前の
シェアハウスへの融資でした。

詳しい説明はWikipediaの通り:

スルガ銀行は、2014年以降、急成長していたスマートデイズとその投資家に対する融資に傾倒するようになる。スマートデイズは2012年設立のシェアハウスであり、タレントのベッキーをCMに起用し、敷金・礼金不要の女性専用シェアハウス「かぼちゃの馬車」を中心に、首都圏で約900棟のシェアハウスを展開していた。

(略)

スマートデイズは、セミナー等を通じてシェアハウスオーナーに関心を持つ会社員らを集め、メーンバンクであるスルガ銀行での融資を勧めた。通帳の写しを提出させ、預金残高が少なかった場合は写しを改竄するなどの手口で、貯蓄や所得の水増しをした上で、投資家にスルガ銀行の横浜市内の支店を通じて、融資を受けさせていた。

(略)

9月7日、第三者委員会の報告書が公表され、「かぼちゃの馬車」関連に限らず、役員が不正融資に関与していた事例が多数あり、常態化していた実態が明らかとなる。仲介の不動産会社と結託して預金通帳の改竄などに手を染めていた他、融資の見返りとしてキャバクラなどで接待を受けていた事例が報告された。販売会社が物件販売価格を市場価格よりも割高に設定していることを知りながら融資を行うなどの実態も報告された。

フリー百科事典Wikipedia, “スルガ銀行”(強調箇所は筆者によるもの)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%AB%E3%82%AC%E9%8A%80%E8%A1%8C

…ということで、

Wikipediaを読めば分かるとおり、
いやはや、問題だらけですな…。

2017年末の時点には、
一部の人がヤバさに気づいて、
旧Twitterにも投稿していました:

当然、スルガ銀行の株価は暴落し、
1年で約80%も値下がりしました。

スルガ銀行の週足チャート(引用元:TradingView、コメントは筆者が追記したもの)

悪い人と良い取引はできない

投資の神様バフェットは、
「悪い人と良い取引はできない」
と言いました。

スルガ銀行の一件を見ると、
ホントだよな〜と感じます。

ここで気になるのは、
「どう悪い人を見分けるか?」
じゃないでしょうか。

事前に悪い人を見分けられれば、
取引せずに済むし損もしません。

実は、スルガ銀行の場合は、
前兆やヒントがあったようです。

以下、改めてWikipediaより:

多数の行員や支店長、役員が関与していたことが報告されたことを受け、岡野光喜会長兼CEO、米山明広社長ら3人の代表取締役を含む役員5名が退任し、有国三知男取締役が社長に就任する人事が発表。有国が記者会見において謝罪したが、30年以上トップに君臨し、報告書において「最も責任が重い」と指摘された岡野は姿を見せなかった。

報告書では、上司に首をつかまれて壁に押し当てられたり、営業目標が達成できない際に2時間以上立たされ同僚の前で給与額を言われたりするなどのパワーハラスメントが横行していた実態が報告され、有国は不衛生な労働環境に問題があったことを認めた。また、上司から「お前の家族皆殺しにしてやる」「ビルから飛び降りろ」などと恫喝されたと回答もあった。

フリー百科事典Wikipedia, “スルガ銀行”(強調箇所は筆者によるもの)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%AB%E3%82%AC%E9%8A%80%E8%A1%8C

中原が読み取ったこととしては、
「都合が悪いと経営陣が雲隠れする」
「パワーハラスメントが横行する」

という2点は、

他の会社に投資をするときにも、
参考材料になる気がします。

不都合なときに無口になる

成長株投資の父と呼ばれる
フィリップ・フィッシャー先生も、

「好調なときは投資家に
会社の状況を饒舌に語るのに、

問題が起こったり
期待が外れたりすると
無口になっていないか?」

を重視しているそうです。

フィッシャー先生が書いた著作にも、
次のように書かれています:

うまくいっていないときに無口になるのはいくつか理由がある。予想外の困難を解決するための対策がまだできていないのかもしれない。パニックを起こしているのかもしれない。株主に対する責任感が乏しいため、急場しのぎの説明でよいと思っているのかもしれない。いずれにしても、悪いニュースを公表しなかったり、隠そうとしたりする会社は、投資候補から除外すべきだろう。

フィリップ・フィッシャー著「株式投資で普通でない利益を得る」(141ページより引用、強調箇所は筆者によるもの)

ジム・コリンズ先生の、
ビジョナリー・カンパニー③
を読んだときにも、

同じことを感じたんですが、

派手に失敗してコケたときこそ、
「失敗後の対応が生死を分ける」
のだなーと感じます。

少なくとも、

失敗を隠そうとする人や、
失敗から逃げようとする人には、
絶対に投資しちゃダメです。

それと同時に、

そういう人と結婚したり、
そういう人を上司にしたり、

子供をそういうふうに、
育てないようにしないとな〜と、

何より第一に、
自分自身がそうならないように、
気をつけないといけませんね〜。

– 中原良太

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