株で自滅する裏パターン⑥〜手のひら返し〜

自滅行為による失敗
この記事を書いた人

個人投資家。元Yahoo!株価予想達人。
同サイトで25歳で「ベストパフォーマー賞」「通算最高勝率者賞」受賞。2006年ルービックキューブ日本大会準優勝。MENSA会員。座右の銘はヘンリー・フォードの「本当の失敗とは、失敗から何も学ばないことである」

中原良太をフォローする

From: 中原良太
自宅のリビングより、、、

ここ数日、株で自滅する
7つの裏パターンを、
特集しています。

その7つが以下の通りです:

・仕返し
・嫌悪
・無名
・弱者
・コモディティ
・手のひら返し
・忌避

中原が作成(ロバート・チャルディーニ著「影響力の武器[新版] 人を動かす七つの原理」の7項目を逆転させたもの)

1〜5つ目については、
以下の記事をお読みください:

今日は7つの裏パターンのうち、
「手のひら返し」について特集します。

復習:株の自滅パターン⑥〜コミットメントと一貫性〜

チャルディーニ先生は、
「影響力の武器」で、

コミットメントと一貫性について、
次のように説明しています:

その原理とは、自分がすでにしてしまったことを一貫していたい(そして、一貫していると他者から見てもらいたい)という欲求です。ひとたび決定を下したり、ある立場をとる(コミットする)と、自分の内からも外からも、そのコミットメントと一貫した行動をとるように圧力がかかります。さらには、そのような圧力によって、私たちは自分の決断を正当化しながら行動するようになります。

ロバート・チャルディーニ著「影響力の武器[新版] 人を動かす七つの原理」(375ページより、強調部分は筆者によるもの)

つまり、
「いちど口に出したり、
行動したりしたことは、
引くに引けなくなる!」

ということです。

いわゆる惰性ですね。

中原もよくあるんですが、

成長性が高いワケでも、
割安というワケでもないのに、

「新しく株を買うより、
いま
株を持ち続ける方が
理由はないけど良い気がする」

ことがよくあります。

コミットメントと一貫性の詳細は、
以下の記事をご参照ください:

株で自滅する裏パターン⑥〜手のひら返し〜

社会では、
「コロコロ意見を変える人は
一貫性がなくて信用できない」

という悪いイメージがあります。

とはいえ、これは、

「意見を変えない=良い」
ということではなくて、

「正しい意見を曲げない=良い」
ということなんですよね。

この点を捉え違えてしまうと、

状況が大きく変わって、
意見を変えるべきときに
臨機応変に対応できません。

効果のないことを
「一貫して続ける=良い」と
考えるのは間違いです。

「曲げるべき意見を曲げない」
のは偏屈に過ぎません。

持っているものを捨ててでも
掴むべきチャンスが来た時は、

手のひらを返すべきなのです。

謙虚な人しか勝てない世界

「効果のない一貫性」は、
傲慢さの一種とも言えます。

「これが私のやり方だから」と
と効果が出ないことを続けて
資源を浪費するのです。

結果を求めない
「趣味」の話ならまだしも、

投資はあくまでビジネスで
結果を求めるべきですから、
この手の傲慢さは悪です。

経営学者のジム・コリンズ先生は、
「失敗の元凶は傲慢さにある!」
と指摘しています。

詳しくは以下のとおり:

第一段階がはじまるのは、人々が高慢になり、成功を続けるのは自分たちの当然の権利であるかのように考えるようになり、当初に成功をもたらしてきた真の基礎的要因を見失ったときである。

(中略)

成功したときには運と偶然が関与した場合が多いが、運が良かった可能性を認識せず、自分たちの長所と能力を過大評価する人は、傲慢に陥っているのである。

ジム・コリンズ著「ビジョナリー・カンパニー③ 衰退の五段階」(47ページより抜粋、強調部分は筆者によるもの)

コリンズ先生がいうには、

大きな成功を収めるのは
「うまくいったら運のおかげ」
「いかなかったら自分の責任」

と考える人ばかりだそうです。

コリンズ先生の本を読んだとき、
「まさに投資家に当てはまる!」
と中原は感じました。

「投資は自己責任」
というのは常識ですが、

これは、
「投資先がヘマをした時
最終的な責任を取るのは
オーナーである株主だ」

ということです。

僕ら株主の仕事は

「社会のためにリスクを負い
責任を果たすこと」ですから、

自分のミスを認められない人や
他人に責任を押し付けたがる人

には務まらない仕事なんです。

投資先に不祥事を起こされたり、
不運のせいで危機に陥った時に

「愚痴を言いたくなる」
気持ちも分かりますが、

「愚痴ばかり言っていて、
自分の失敗をロクに認めず
責任を放棄しつづけている」

うちは失敗続きでしょう。

偉そうなことを書く中原自身、
図に乗って傲慢になりやすいから
気をつけないとなぁ…。

– 中原良太

↓続きを書きました↓

コメント

タイトルとURLをコピーしました