From: 中原良太
札幌の実家より、、、
きょうは、
上場後に下方修正を出して、
株価が3分の1にまで転落した、
property technologiesを特集します。
中古住宅の買取販売会社
property technologies(5527)は、
中古住宅の買取や販売を行う会社です。
日本銀行の超低金利政策により、
不動産業界は賑わっていますが、
そんな中、
同社は下方修正を出して、
株価が大暴落しました。
property technologiesの、
株価チャートは以下のとおりです:
同社は2022年末に上場して、
一時は株価が4500円まで上がりました。
しかし、
2023年4月には、
四半期決算の赤字を発表。
2023年7月の上期決算は、
そんなに悪くない内容でしたが、
2023年10月に下方修正を出し、
ふたたび株価は大きく下がりました。
いまの株価は1000円近くです。
低金利やインフレ、相続対策など、
不動産業界には追い風が吹くのに、
なぜ同社はダメだったのでしょう?
中古マンションは在庫が膨張
詳しい理由を調べてみるために、
同社の決算説明資料を読みました。
下方修正の原因については、
次のように書かれています:
開示資料には、
・中古マンションの在庫件数が増えた
・新築戸建ては大雨災害で工事遅延が起きた
と書かれています。
第一に、会社経営には、
「足りないものを売る会社は伸び」
「余りものを売る会社は停滞する」
という経験則があります。
これは言われてみれば当たり前で、
余っているものを売っている会社は、
価格競争に巻き込まれるなどして、
採算が悪化しやすいからです。
property technologiesの、
会社資料を見てみるかぎり、
中古マンションは在庫が増えて、
「在庫が余って売れ残りやすい」
ように見えますから、
かなり環境が厳しく見えます。
一方、
新規戸建ては工事遅延が原因で、
工期の見積もりが甘い点は、
あまり褒められないですが、
それでも影響は一時的で、
来期から回復しそうです。
業績悪化の原因が、
工事遅延だけであれば、
株価は下がらなかったかも?
残りものには、福などない
業績悪化のよくある原因の1つが、
「過剰生産」なのだそうです。
業績が急拡大していて、
絶好調だった会社ほど、
在庫を膨らませすぎて、
「急転直下で落ち込む」
ことが多いです。
業績が良いときに調子に乗って、
求められている以上に在庫を抱える
↓
在庫を売りさばけず不良在庫化する
↓
在庫評価損が発生して大赤字になる
のようになってしまうからです。
トヨタ生産方式の生みの親、
改善の鬼と呼ばれた大野耐一さんは、
「造り過ぎは罪悪に等しい」
とさえ言っています。
伸び盛りな会社を見つけたときは、
過去の栄光にすがりついたりせず、
「価格競争が激化してないか?」
「在庫が余り始めていないか?」
と厳しく点検するのが大事だなぁ…。
– 中原良太
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