From: 中原良太
自宅のリビングより、、、
寺岡製作所(4987)で、
大損こきました。
きょうはこの取引を供養します。
由緒代々、受け継がれてきた会社
寺岡製作所といえば、
粘着テープを売っている会社です。
同社は10月末にMBOを発表しています。
MBOはManagement Buy-Outの略で、
経営陣による企業買収のことです。
寺岡製作所の場合は、
三代目の寺岡敬之郎さんが
「買収して立て直す!」と声を挙げました。
もともと寺岡製作所は、
寺岡璋浩さんが1921年に創業しました。
1962年には璋浩さんの息子の、
寺岡基之が取締役社長になり、
2000年には基之さんの息子の、
寺岡敬之郎さんが取締役社長になりました。
(今は会長になっています)
代々、受け継がれてきた会社です。
株主軽視と言われる事情
「歴史ある日本企業」と言えば、
聞こえは良いのかもしれません。
立て直すためのMBOというのも、
美談に見えるかもしれません。
しかし、寺岡敬之郎さんによるMBOは、
株主軽視と言われるだけの事情があります。
どんな事情か?というと、
MBOの価格が破格でした。
寺岡製作所は、1Qの時点で、
約125億円の正味流動資産※を持ってます。
※流動資産+投資有価証券−負債
また、前期の有価証券報告書には、
時価30億円の賃貸用不動産も載ってます。
(一部を売って現金化しましたが)
さらに、
こないだの中期経営計画では、
「営業利益8.5億円を目指す!」と、
記載がされていました。
つまり、
寺岡製作所には、
「125億円相当の現金性資産」
「30億円相当の賃貸用不動産」
「年8.5億円の営業益を目指せる事業」
という3つが備わっていました。
しかし、
寺岡敬之郎さんが提示したMBO条件は、
「約150億円でのMBO」でした。
これだけの資産を持っている会社を、
「150億円で買収しよう」と
目論んだのでした。
たとえ買収に150億円使ったとしても、
買収で125億円が手に入ると考えられ、
実質的な買収コストは25億円。
25億円で、
30億円相当の不動産と、
8.5億円の営業益が手に入るなら、
「格安」なMBOに見えます。
もちろん、
会社を立て直す必要があるので、
現実にはイバラの道でしょう。
それでも、
こんだけ資産があるので、
別の人にもっと高い価格で、
身売りできる可能性もありました。
我々、株主に対して
「安値で株を手放すよう求めてる」わけで、
軽視されたと感じるのも無理ありません。
村上ファンドをイナゴした結果
こういった事情も踏まえて、
「さすがにMBO価格が安すぎるから、
MBOは成立せず、価格も引き上げられる」
と、僕は考えました。
機に乗じて、村上ファンドは、
寺岡製作所の株を大量購入してました。
僕も村上ファンドに便乗して、
寺岡製作所の株を買いました。
そのときのチャートがコチラ:
↓
いまいる既存株主だって、
不利なMBOに応募しないだろうし、
MBO価格も上がるだろう…と思いました。
しかし、結果は…惨敗。
なぜかMBOは成立しました。
(理由は分かりません。なぜ?)
裁判に発展するのだろうか?
今後、今回の件が、
どう落ち着くかは分かりません。
村上ファンドが裁判を起こすかも。
ファミマが格安水準で買収されたとき、
株主が裁判を起こしたことがあります。
このときは、
買収サイドの非が認められたものの、
買収価格の引き上げは10%そこらで、
投資資金が3年も拘束されたと記憶してます。
僕らのような弱小投資家からすると、
「裁判まで持ち込まれたら泣き寝入り」
するしかない、ってのが現実でして。
「裁判に付き合わされるくらいなら、
別の株を買ったほうが良い」のです。
「してやられた!」と感じました。
自分の脇の甘さにも否があります。
MBO賛同者の多さも考えるべきで、
MBO発表時点で一考すべきでした。
あとは、
村上ファンドに便乗する形ではなく、
TOB発表の時点で安さに気づいてれば
もっと安く買えて軽傷で済みました。
ほか、
こういう銘柄は「価格が命!」で、
660円をつけたとき一度売るべきでした。
もっと上がれ!と欲張ったのがダメでした。
この悔しさを次に活かそう…。
– 中原良太
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