村上ファンドをイナゴして株を買った結果

2023年の失敗談
この記事を書いた人

個人投資家。元Yahoo!株価予想達人。
同サイトで25歳で「ベストパフォーマー賞」「通算最高勝率者賞」受賞。2006年ルービックキューブ日本大会準優勝。MENSA会員。座右の銘はヘンリー・フォードの「本当の失敗とは、失敗から何も学ばないことである」

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From: 中原良太
自宅のリビングより、、、

寺岡製作所(4987)で、
大損こきました。

きょうはこの取引を供養します。

由緒代々、受け継がれてきた会社

寺岡製作所といえば、
粘着テープを売っている会社です。

同社は10月末にMBOを発表しています。

MBOはManagement Buy-Outの略で、
経営陣による企業買収のことです。

寺岡製作所の場合は、
三代目の寺岡敬之郎さん
「買収して立て直す!」と声を挙げました。

もともと寺岡製作所は、
寺岡璋浩さんが1921年に創業しました。

1962年には璋浩さんの息子の、
寺岡基之が取締役社長になり、

2000年には基之さんの息子の、
寺岡敬之郎さんが取締役社長になりました。
(今は会長になっています)

代々、受け継がれてきた会社です。

株主軽視と言われる事情

「歴史ある日本企業」と言えば、
聞こえは良いのかもしれません。

立て直すためのMBOというのも、
美談に見えるかもしれません。

しかし、寺岡敬之郎さんによるMBOは、
株主軽視と言われるだけの事情があります。

どんな事情か?というと、
MBOの価格が破格でした。

寺岡製作所は、1Qの時点で、
約125億円の正味流動資産※を持ってます。
※流動資産+投資有価証券−負債

また、前期の有価証券報告書には、
時価30億円の賃貸用不動産も載ってます。
(一部を売って現金化しましたが)

さらに、

こないだの中期経営計画では、
「営業利益8.5億円を目指す!」と、
記載がされていました。

つまり、

寺岡製作所には、

「125億円相当の現金性資産」
「30億円相当の賃貸用不動産」
「年8.5億円の営業益を目指せる事業」

という3つが備わっていました。

しかし、

寺岡敬之郎さんが提示したMBO条件は、
「約150億円でのMBO」でした。

これだけの資産を持っている会社を、
「150億円で買収しよう」と
目論んだのでした。

たとえ買収に150億円使ったとしても、
買収で125億円が手に入ると考えられ、
実質的な買収コストは25億円。

25億円で、

30億円相当の不動産と、
8.5億円の営業益が手に入るなら、
「格安」なMBOに見えます。

もちろん、

会社を立て直す必要があるので、
現実にはイバラの道でしょう。

それでも、

こんだけ資産があるので、
別の人にもっと高い価格で、
身売りできる可能性もありました。

我々、株主に対して
「安値で株を手放すよう求めてる」わけで、

軽視されたと感じるのも無理ありません。

村上ファンドをイナゴした結果

こういった事情も踏まえて、
「さすがにMBO価格が安すぎるから、
MBOは成立せず、価格も引き上げられる」

と、僕は考えました。

機に乗じて、村上ファンドは、
寺岡製作所の株を大量購入してました。

僕も村上ファンドに便乗して、
寺岡製作所の株を買いました。

そのときのチャートがコチラ:

寺岡製作所の日足チャート(引用元:IR BANK)、「ここで購入」は中原による加筆

いまいる既存株主だって、
不利なMBOに応募しないだろうし、
MBO価格も上がるだろう…と思いました。

しかし、結果は…惨敗。

なぜかMBOは成立しました。
(理由は分かりません。なぜ?)

裁判に発展するのだろうか?

今後、今回の件が、
どう落ち着くかは分かりません。

村上ファンドが裁判を起こすかも。

ファミマが格安水準で買収されたとき、
株主が裁判を起こしたことがあります。

このときは、

買収サイドの非が認められたものの、
買収価格の引き上げは10%そこらで、
投資資金が3年も拘束されたと記憶してます。

僕らのような弱小投資家からすると、
「裁判まで持ち込まれたら泣き寝入り」
するしかない、ってのが現実でして。

「裁判に付き合わされるくらいなら、
別の株を買ったほうが良い」のです。

「してやられた!」と感じました。

自分の脇の甘さにも否があります。
MBO賛同者の多さも考えるべきで、
MBO発表時点で一考すべきでした。

あとは、

村上ファンドに便乗する形ではなく、
TOB発表の時点で安さに気づいてれば
もっと安く買えて軽傷で済みました。

ほか、

こういう銘柄は「価格が命!」で、
660円をつけたとき一度売るべきでした。
もっと上がれ!と欲張ったのがダメでした。

この悔しさを次に活かそう…。

– 中原良太

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