From: 中原良太
自宅のリビングより、、、
すこし前に、
「企業が衰退する原因は、
経営陣が傲慢だからだ!」
という話をしました。
これは、
経営学者ジム・コリンズ先生の
「ビジョナリー・カンパニー③」
が元ネタなのですが、
そうは言っても、
謙虚で有能な経営陣でも
見落としはあるだろうし、
「すべての衰退が傲慢さで
説明できるわけないよな〜」
と感じました。
そこで今日からは、
企業が内部崩壊する9つの原因
について、
ポーター先生の名作である
「競争優位の戦略」から
学んでいくことにします。
ポーター先生によると、
企業内部の活動は
9つに分類できるそうです:
【主活動】
・購買物流
・製造
・出荷物流
・販売・マーケティング
・サービス【支援活動】
マイケル・ポーター著「競争優位の戦略」(49ページの図より抜粋)
・調達活動
・技術開発
・人事・労務管理
・全般管理(インフラストラクチュア)
ポーター先生曰く、
これらの9つの活動は
どんな企業にも必要だそう。
だから、
この9つすべてを確認すれば、
あらかた企業内部の分析は
網羅したと考えて良いかと。
今日は9つの企業活動のうち、
「購買物流」について
取り上げます。
企業が内部崩壊する原因①〜購買物流〜
ポーター先生は、
「競争優位の戦略」で、
購買物流について、
次のように書いています:
購買物流。製品の原材料を外部から受領し、貯蔵し、配分する活動であって、たとえば、原材料の計量、保管、在庫統制、輸送計画、供給業者への返品など。
マイケル・ポーター著「競争優位の戦略」(52ページより引用、強調箇所は中原によるもの)
企業が成功する方法は、
「コストを削減するか」
「差別化して高く売るか」
の2つがあります。
コストを削減する場合は、
「どうやって安く仕入れるか?」
を考えます。
だから、
◯安い仕入れ業者を見つける
◯安い保管先を見つける
などを目指します。
一方、差別化する場合は、
「他社に真似できないことをやる」
のがゴールです。
だから、
◯特別な仕入れルートを作る
◯差別化につながる保管先を作る
ことがカギとなるでしょう。
崩壊例①:悪質な仕入れ元
コスト削減を狙うにしろ、
差別化を狙うにしろ、
いずれの場合でも、
「悪質な仕入れ元」があると
その会社は崩壊します。
その分かりやすい例が、
オウケイウェイヴでしょう。
オウケイウェイヴといえば、
ポンジスキーム詐欺に遭って、
株価が大暴落した会社です。
もともとオウケイウェイヴは、
暗号通貨事業が失敗したことで、
赤字を出して切羽詰まってました。
そんな中、
切羽詰まった経営陣が
詐欺師につけこまれて
詐欺にも騙されました。
「泣きっ面に蜂」とは
まさにこのことですが、
明らかに怪しい業者に
大金を突っ込んだのは、
脇が甘いと言えます。
崩壊例②:余剰在庫
悪質さは低い場合でも、
「売れ残りそうな在庫」
を抱えるのも危険です。
中古マンションを売っている、
property technologiesは、
中古マンションの在庫が膨張し、
「余り物」が増えているなか、
在庫を急拡大させていました。
◆ ◆ ◆
トヨタを育てた大野耐一先生は
低成長期において造りすぎは罪悪である
中部IE協会, “大野耐一語録”より引用
https://www.cpc.or.jp/ie/publics/index/20/
と言ったくらいで、
「求められてないものを
余分に作りすぎることは
ムダが大きく罪が深い」
のだそうです。
商売では
「売り切れるリスク」より
「売れ残るリスク」のほうが、
よっぽど高いです。
余剰在庫を抱えている会社は、
いきなり特損を出し大損こいて、
暴落することもあります。
だから、
「いらん在庫を抱えてないか?」
は注意すべきでしょうなー。
◆ ◆ ◆
余剰在庫がリスクなのは、
プライベートでも同じです。
うちの両親は心配性で
「万が一に備えて」と、
何かと蓄えたがります。
「いつか読むから」と、
山のように積ん読したり、
「いつか役に立つから」と、
使いもしない家具を買ったりして、
実用性を無視して
「買うことに安心」
「買っただけで満足」
しちゃうこともあります。
リスクを心配するのは大切ですが、
備え方を間違えてしまうと、
実は備えになってなかったり
損を膨らませかねません。
中原も気をつけないとなー。
– 中原良太
↓続きを書きました↓
コメント