株の自滅パターン⑤〜希少性〜

自滅行為による失敗
この記事を書いた人

個人投資家。元Yahoo!株価予想達人。
同サイトで25歳で「ベストパフォーマー賞」「通算最高勝率者賞」受賞。2006年ルービックキューブ日本大会準優勝。MENSA会員。座右の銘はヘンリー・フォードの「本当の失敗とは、失敗から何も学ばないことである」

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From: 中原良太
自宅の書斎より、、、

僕は投資歴15年ほどなんですが、
自滅行為が人一倍多いです。

「あれ?また同じ失敗したかも?」
なんてこともよくあります💦

そこで今日も、

同じを繰り返さないため、
過去の失敗の供養も兼ねて、

チャルディーニ先生の、
「影響力の武器」の参考に、
自滅パターンを紹介します。

自滅パターンはすべてで7つ。
その7つが以下のとおりです:

・返報性
・好意
・社会的証明
・権威
・希少性
・コミットメントと一貫性
・一体性

ロバート・チャルディーニ著「影響力の武器[新版] 人を動かす七つの原理」目次より抜粋

1〜4つ目については、
以下の記事をお読みください:

今日はこの続きとして、
5つ目の「希少性」について、
取り上げます。

株の自滅パターン⑤:希少性

チャルディーニ先生は、
「影響力の武器」で、

希少性について、
次の説明をしています:

ほとんどすべての人が、何らかの形で希少性の原理に支配されています。野球カードから骨董品まであらゆるものの収集家は、希少性の原理によって品物の価値が決まることをよく知っています。一般に、ある品物の数が少ないか、少なくなりつつあるなら、それだけでその品には価値があることになります。実際、望ましい品物の数が少ないか、手に入らない状態のとき、消費者はもはやその品物の価値への認識に基づいて適正価格を判断したりはしません。そのかわりに、その品物の希少性に基づいて適正価格を判断するようになります。

ロバート・チャルディーニ著「影響力の武器[新版] 人を動かす七つの原理」(313ページより、強調部分は筆者によるもの)

つまり、
「手にいれにくいものほど、
価値があると錯覚しやすい」

ということです。

分かりやすい例としては、
芸能人格付けチェックに出る
ストラディバリウスです。

1億円するバイオリンです。

素人には何が良いのかは、
さっぱり分かりませんが、

ストラディバリウスは、
氷河期で育った木が材料で、

もう似た木を現存しないので、
希少価値が生まれたそうです。

ストラディバリウス以外にも、
熟成が長いワインや蒸留酒も、
希少性ゆえ高価格ですよね。

希少性はバブルの引き金

経験上、希少性の魅力は、
バブルの引き金になります。

古い例としては、
チューリップ・バブル
が挙げられますね。

チューリップ・バブルとは、
オランダで起きたバブルで、

チューリップの球根1つが、
家と同じ値段で取引された、
という現象を指します。

Wikipediaの説明は以下の通り:

チューリップ・バブル(蘭: tulpenmanie、 tulpomanie、 tulpenwoede、 tulpengekte、 bollengekte。英: tulip mania、tulipomania、チューリップ狂時代、チューリップ熱狂)は、オランダ黄金時代のネーデルラント連邦共和国において、当時オスマン帝国からもたらされたばかりであったチューリップ球根の価格が異常に高騰し、突然に下降したまでの期間を指す。 チューリップ・バブルのピーク時であった1637年3月には、1個当たり、熟練した職人の年収の10倍以上の価格で販売されるチューリップ球根も複数存在した。

フリー百科事典Wikipedia, “チューリップ・バブル“
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%81%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%AA%E3%83%83%E3%83%97%E3%83%BB%E3%83%90%E3%83%96%E3%83%AB

日本株市場の個別株の間でも、
小さなバブルはよく起きます。

バブルが起きるのは大体、
株式流通量の少ない中小企業
・上場したばかりの新しい企業
という傾向があります。

2020年に暴落した、
UUUMとかが好例かと。

UUUMの月足チャート(引用元:IR BANK)

新規公開株(IPO)は、
人気化しやすいですが、

その理由は、
「新しさ」という希少価値が、
あるからだと思ってます。

何事も「新しい」のは一瞬で、
すぐに「古く」なるからです。

ニュース記事なんかがその好例で、
今日の新聞は140円で買いますが、
昨日の新聞は100円でも要らない。

古いものは沢山あるので、
希少性が薄いんですよね。

希少性は移ろいやすい

希少性には魅力がありますが、
移ろいやすい性質があります。

存在を忘れられてしまえば、
誰にも求められなくなる
し、

代わりを用意できれば、
希少性も薄れる
でしょう。

たとえば、

1990年代には、
「たまごっち」が流行して、
売り切れも続出しました。

たまごっちブームに便乗して、
転売で大儲けした人もいます。

しかし、

今となっては皆が忘れ、
コレクター品以外には、
ほぼ価値はありません。

希少性は移り気なので、
「レアものを買って儲ける!」
というのは、

見た目以上に難しいです。

むしろ、
「レアだけど割高なもの」
を掴んでしまって、

損するリスクも大きいんで、
堅実な投資には不向きかと。

投資判断を下すときには、
「希少性に騙されるあまり、
割高な買い物をしてないか?」

と自問して、

高値づかみを減らすのが、
大事なんじゃないかなー。

– 中原良太

↓続きを書きました↓

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