無茶な出店とM&Aで大暴落したRIZAPグループの顛末

2018年に暴落した株
この記事を書いた人

個人投資家。元Yahoo!株価予想達人。
同サイトで25歳で「ベストパフォーマー賞」「通算最高勝率者賞」受賞。2006年ルービックキューブ日本大会準優勝。MENSA会員。座右の銘はヘンリー・フォードの「本当の失敗とは、失敗から何も学ばないことである」

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From: 中原良太
自宅の書斎より、、、

きょうは、

衰退の五段階で少し書いた、
RIZAPグループ(2928)
について特集します。

テレビCMが大ヒット

RIZAPグループに関する、
Wikipediaの説明は以下のとおり:

RIZAPグループ株式会社(ライザップグループ、英称: RIZAP GROUP, Inc.)は、健康食品やダイエット食品の製造・販売、スポーツクラブ経営などを行っている子会社を総括する持株会社。

フリー百科事典Wikipedia, “RIZAPグループ“
https://ja.wikipedia.org/wiki/RIZAP%E3%82%B0%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%83%97

RIZAPグループといえば、
「結果にコミットする」という
テレビCMが大ヒットし有名です。

テレビCMの中では、
お腹がたるんだ芸能人たちが、
次々にカッコよく変身しました。

変身した芸能人を見て、
「自分も変身したい!」と、
お客が殺到したようです。

株式市場でもRIZAPグループは、
一世を風靡しましたが、

2017年にピークをつけてからは、
何年間も転がり落ちました。

RIZAPグループの、
株価チャートは以下の通り:

RIZAPグループの月足チャート(引用元:TradingView、コメントは筆者が追加したもの)

バリュー投資の父と呼ばれる、
ベンジャミン・グレアム先生は、

投資が失敗する原因は、
・質の悪い証券を買うか
・高すぎる価格で買うか

の2つと言いましたが、

RIZAPグループの場合は、
両方が当てはまったかも。

規律なき拡大路線

テレビCMが大ヒットしたRIZAPは、
出店ペースを加速させただけでなく、
たくさんの企業をM&Aしました。

その結果、

出店しすぎた反動で、
撤退せざるをえない店舗が、
続出してしまいました。

また、M&Aもやり過ぎで、
採算をとれない買収が続出して、
2019年には大赤字を出しました。

僕が尊敬している経営学者、
ジム・コリンズ先生によると、

「成長が行き過ぎた会社」は、
転落する可能性が高いそうです。

伝説のファンドマネージャー、
ピーター・リンチは、

「成長率が30%を超える会社は、
基本的に疑ってかかるべき」

と言いました。

RIZAPグループの場合は、
適切な成長ペースを超えて、
拡大し過ぎてしまったのです。

業績悪化とともに、
証券の質が悪化し、
株価も急落しました。

RIZAPバブルの崩壊

RIZAPグループの株価は、
2017年のピークと比べると、
一時は10分の1に落ちました。

大暴落した最大要因は、
「人気化しすぎた反動」
だと思います。

2017年、RIZAPグループの、
人気が絶頂期だったころ。

同社株の予想PERは、
およそ90倍でした。

日本株の適正PERは、
「だいたい12.5倍」と
言われてますから、

その8倍以上買われるのは、
明らかにやり過ぎでした。

◆  ◆  ◆

長いこと成長株を見て、
経験則を調べてきた結果、

「成長人気で上がった株は、
だいたい行って来いになる」

ことが分かってきました。

イケイケで成長している会社は、
話題になって人気化しますが、

人気だから儲かるか?」
というと、それは違います。

むしろ人気な株ほど、
失敗しやすいと思うんで、

周りに振り回されて、
・成長スピードが早すぎる
・バブルじみた高値水準

の株を買わないよう、

気をつけんといかんなぁ…。

– 中原良太

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