衰退の五段階③〜リスクと問題の否認〜

企業内部による失敗
この記事を書いた人

個人投資家。元Yahoo!株価予想達人。
同サイトで25歳で「ベストパフォーマー賞」「通算最高勝率者賞」受賞。2006年ルービックキューブ日本大会準優勝。MENSA会員。座右の銘はヘンリー・フォードの「本当の失敗とは、失敗から何も学ばないことである」

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From: 中原良太
自宅の書斎より、、、

ベンジャミン・グレアム先生の証券分析では、
「衰退の原因の多くは環境の変化だ!」
と書かれていましたが、

ジム・コリンズ先生は会社内部に目を向けて、
「5段階の危険シグナルがあるぞ!」
と説明しました。

その5段階は以下のとおりです:

第一段階:成功から生まれる傲慢
第二段階:規律なき拡大路線
第三段階:リスクと問題の否認
第四段階:一発逆転策の追求
第五段階:屈服と凡庸な企業への転落か消滅

ジム・コリンズ著「ビジョナリー・カンパニー③ 衰退の五段階」目次より抜粋

1段階目と2段階目については、

きのう、おとといの記事を、
以下からお読み頂けると幸いです:

きょうはこの続きで、
「衰退の五段階」の3つ目、
リスクと問題の否認を取り上げます。

第三段階:リスクと問題の否認

ジム・コリンズ先生は、

「ビジョナリー・カンパニー③」で、
「リスクと問題の否認」について、
以下のように説明しています。

この段階には指導者は悪いデータを小さくみせ、良いデータを強調し、曖昧なデータは良く解釈する。上に立つものは後退の原因として外部要因を指摘するようになり、自分で責任を引き受けようとはしない。

ジム・コリンズ著「ビジョナリー・カンパニー③ 衰退の五段階」(49ページより抜粋、強調部分は筆者によるもの)

会社の中では偉そうに振る舞い、
会社の外では都合の悪いことを隠し、

問題が大きくなって、
隠し切れなくなるまで、
不都合から目をそらす。

経営者がこれやったら、
もう、おしまいでしょう。

ジム・コリンズ先生が言う、
「リスクと問題の否認」とは、
負け犬根性のことなのでしょう。

僕ら投資家も他人事じゃないです。

損が膨らんで辛いときほど、
残酷な現実など見たくないし、
目をそらしたくなるものです。

責任を他人になすりつけて、
逃げたくなるんですよね。

いきなりステーキ vs RIZAP

きのうおとといで取り上げた、
いきなりステーキとRIZAPですが、

この2社は、まさに、
「リスクと問題の否認」で、
真逆の対応を取りました。

いきなりステーキは?というと、

同社は業績が悪くなった後も、
傲慢な態度がなかなか抜けず、

さいきんでは、
福袋の企画内容も傲慢で、
大バッシングを受けました。

詳しくは以下の記事で:

いきなりステーキは、
2019年に赤字転落しましたが、
いまだに赤字が続いています。

◆  ◆  ◆

一方で、RIZAPはというと、

代表取締役の瀬戸社長は、
業績が悪化したことを反省し、
以下のように述べました。

本日は厳しいご意見しか出ないと覚悟して臨みましたし、それだけのことをしたと強く深く反省しています。必ず結果を出すように全力で取り組んでまいります

東洋経済ONLINE, “ライザップ 買収戦略失敗の真因”
https://toyokeizai.net/articles/-/568596

2024年1月現在、

RIZAPはまだ回復途上ですが、
chocoZAPなどをヒットさせて、
回復軌道に乗りつつあります。

失敗後の対応が生死を分ける

こうやって見ると、

派手に失敗してコケたときこそ、
失敗後の対応が生死を分ける」
のだなーと感じます。

ビジネスが大成功したときは、
浮かれて傲慢になるのが人間です。

これは逆も然りで、

ビジネスが大失敗したときは、
不都合を無視するのも人間です。

ビジネスで成功し続けるには、

傲慢をはねのける謙虚さと、
厳しい現実を直視する強さを、
備える必要があるんですねー。

僕も自身を顧みると、
浮かれて傲慢になったり、
不都合を無視しがちです。

まだまだ、半人前だなぁ…。

– 中原良太

↓続きを書きました↓

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