From: 中原良太
自宅の書斎より、、、
ベンジャミン・グレアム先生の証券分析では、
「衰退の原因の多くは環境の変化だ!」
と書かれていましたが、
ジム・コリンズ先生は会社内部に目を向けて、
「5段階の危険シグナルがあるぞ!」
と説明しました。
その5段階は以下のとおりです:
第一段階:成功から生まれる傲慢
ジム・コリンズ著「ビジョナリー・カンパニー③ 衰退の五段階」目次より抜粋
第二段階:規律なき拡大路線
第三段階:リスクと問題の否認
第四段階:一発逆転策の追求
第五段階:屈服と凡庸な企業への転落か消滅
1段階目と2段階目については、
きのう、おとといの記事を、
以下からお読み頂けると幸いです:
きょうはこの続きで、
「衰退の五段階」の3つ目、
リスクと問題の否認を取り上げます。
第三段階:リスクと問題の否認
ジム・コリンズ先生は、
「ビジョナリー・カンパニー③」で、
「リスクと問題の否認」について、
以下のように説明しています。
この段階には指導者は悪いデータを小さくみせ、良いデータを強調し、曖昧なデータは良く解釈する。上に立つものは後退の原因として外部要因を指摘するようになり、自分で責任を引き受けようとはしない。
ジム・コリンズ著「ビジョナリー・カンパニー③ 衰退の五段階」(49ページより抜粋、強調部分は筆者によるもの)
会社の中では偉そうに振る舞い、
会社の外では都合の悪いことを隠し、
問題が大きくなって、
隠し切れなくなるまで、
不都合から目をそらす。
経営者がこれやったら、
もう、おしまいでしょう。
ジム・コリンズ先生が言う、
「リスクと問題の否認」とは、
負け犬根性のことなのでしょう。
僕ら投資家も他人事じゃないです。
損が膨らんで辛いときほど、
残酷な現実など見たくないし、
目をそらしたくなるものです。
責任を他人になすりつけて、
逃げたくなるんですよね。
いきなりステーキ vs RIZAP
きのう、おとといで取り上げた、
いきなりステーキとRIZAPですが、
この2社は、まさに、
「リスクと問題の否認」で、
真逆の対応を取りました。
いきなりステーキは?というと、
同社は業績が悪くなった後も、
傲慢な態度がなかなか抜けず、
さいきんでは、
福袋の企画内容も傲慢で、
大バッシングを受けました。
詳しくは以下の記事で:
いきなりステーキは、
2019年に赤字転落しましたが、
いまだに赤字が続いています。
◆ ◆ ◆
一方で、RIZAPはというと、
代表取締役の瀬戸社長は、
業績が悪化したことを反省し、
以下のように述べました。
本日は厳しいご意見しか出ないと覚悟して臨みましたし、それだけのことをしたと強く深く反省しています。必ず結果を出すように全力で取り組んでまいります
東洋経済ONLINE, “ライザップ 買収戦略失敗の真因”
https://toyokeizai.net/articles/-/568596
2024年1月現在、
RIZAPはまだ回復途上ですが、
chocoZAPなどをヒットさせて、
回復軌道に乗りつつあります。
失敗後の対応が生死を分ける
こうやって見ると、
派手に失敗してコケたときこそ、
「失敗後の対応が生死を分ける」
のだなーと感じます。
ビジネスが大成功したときは、
浮かれて傲慢になるのが人間です。
これは逆も然りで、
ビジネスが大失敗したときは、
不都合を無視するのも人間です。
ビジネスで成功し続けるには、
傲慢をはねのける謙虚さと、
厳しい現実を直視する強さを、
備える必要があるんですねー。
僕も自身を顧みると、
浮かれて傲慢になったり、
不都合を無視しがちです。
まだまだ、半人前だなぁ…。
– 中原良太
↓続きを書きました↓
コメント