From: 中原良太
自宅のリビングより、、、
きょうは、
2017年にテンバガー達成後、
99%も株価が下がっている、
ペッパーフードサービス(3053)
について考えていきます。
いきなりステーキが大ヒット
ペッパーフードサービスと言えば、
いきなりステーキの会社ですね。
Wikipediaの説明は以下のとおり:
株式会社ペッパーフードサービス(英: PEPPER FOOD SERVICE CO.,LTD)は、いきなり!ステーキなどステーキを中心としたレストランチェーンを運営する外食産業企業。
フリー百科事典Wikipedia, “ペッパーフードサービス“
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9A%E3%83%83%E3%83%91%E3%83%BC%E3%83%95%E3%83%BC%E3%83%89%E3%82%B5%E3%83%BC%E3%83%93%E3%82%B9
積極的に店舗展開していたときに、
会社の先輩にご馳走してもらい、
「ステーキの立ち食い、おもろ!」と、
感激したのを覚えています。
しかし、同社の人気は2017年までで、
2018年を境に真っ逆さまに落ちます。
そのときの株価チャートがコチラです:
2017年にピークを付けてから、
株価はダダ下がりしています。
どうしてでしょうか?
飲食店「600店舗の壁」
飲食チェーンには、
「600店舗の壁」と呼ばれる、
経験則があります。
どんな経験則か?というと、
600店舗も展開すると、
だいたい全国に行きわたって、
成長が止まるという経験則です。
だから、
店舗展開を急ぎすぎると、
いきなり業績が悪化して、
減損・退店が続きます。
「いきなりステーキ」以外にも、
「和民」や「鳥貴族」といった、
居酒屋も同じパターンを辿りました。
新型コロナウイルスによる追い打ち
ペッパーフードサービスは、
新型コロナウイルスにより、
追い打ちをかけられました。
ただでさえ業績が悪いのに、
パンデミックによる外出制限で、
泣きっ面に蜂でした。
当時、僕は、
パンデミック前まで伸びていた、
「ハブ(3030)」という居酒屋が、
気になっていたのですが、
2020年のコロナ禍に入ってから、
投資家の先輩に相談したところ、
「事業環境が悪すぎるから、
いま買うのは止めておけ。
自分なら絶対に買わない」
と、強く止められました💦
会社が衰退する原因は、
「環境の変化であることが多い!」ので、
先輩のアドバイスは大正解でした。
ペッパーフードサービスと同じく、
ハブの株価もコロナ前の水準には、
いまだに戻ってきていません。
◆ ◆ ◆
ペッパーフードサービスの一件から、
学べることは何があるでしょうか?
第一に、
「どんな成長にも限界がある」
ということでしょう。
いま急成長している会社を見ると、
「これからも急成長するだろう」
と捉えがちですが、
むしろ、
過去の成長実績が輝かしいほど、
将来の成長余地は狭まっていきます。
成長株に投資するときには、
「600店舗の壁」のような、
成長の限界点みたいなものが、
事前に分かれば武器になりそうです。
第二に、
「成長スピードが早すぎる会社は、
かえって疑ってかかるべきだろう」
ということでしょう。
いきなりステーキの場合は、
店舗展開を急ぎすぎたあまり、
2018年に大きく崩れました。
会社の成長スピードは、
「早ければ早いほどよい!」
と考えがちですが、
現実問題として、急成長の裏は、
どこかに無理が生じるものです。
伝説のファンドマネージャー、
ピーター・リンチが言うには、
「成長率が30%を超える会社は、
基本的に疑ってかかるべきだ」
そうですから、気をつけないと。
さいごはやはり、
「事業環境が厳しい会社は、
基本的に投資すべきでない」
ということでしょう。
価格競争が激しすぎる、
そもそも求められていない、
政策的な逆風を受けている、など。
事業環境が逆風ぎみな株は、
リスクが高いだけでなく、
リターンも小さいですから、
「労多くして益少し」です。
不要な苦労をしてまで、
投資する必要はないので、
しんどそうな会社への投資は見送って、
「バカでも儲けてそうな会社」を探し、
ラクして儲けることに専念すべきかと。
ハブへの投資を思いとどまらせてくれた、
先輩には感謝してもしきれないなぁ…。
– 中原良太
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